撮影現場でプロみたいに録音するコツは、カメラのマイクで録音しないことです。カメラの内蔵マイクは風やノイズに弱い。専用のレコーダーを使いましょう。そこで、ZoomH1nでプロみたいに録音するポイントを3ステップで紹介します。
2017年11月、ZOOM社からH1のリニューアルタイプH1nが発売されました。当社でもさっそく購入。見た目、重さ、大きさはほとんど同じですが、さまざまな改善点があります。
まず、液晶画面が見やすくなりました。次に、マイク音量の調整がフェイスの中央にジョグダイヤルに変わり、電池は単3サイズ1本から単4サイズ2本になりました。撮影現場で実際に使用した感想ですが、音質はほぼ前機種と同じです(あくまでもイチ使用者の感想です)
以下に、使い方を書いておきます。
交差するステレオマイクがポイントです。マイクとレコーダーの一体型です。ステレオで立体的、かつクリアな音声の収録ができます。参考税込価格:Amazon8,490円(2024年7月情報)
電源は、単4電池2本です。Zoom H1nをおススメする理由は、音質のよさに加えて、操作がシンプルだからです。シンプルだと誤操作も少なくなります。単4電池とマイクロSDカードを装填し電源をスライドさせてスイッチONです。
H1nのフェイスの一番左にある「AUDIO」ボタンの設定は、48khz/16bitを選択することを推奨します。動画編集ソフトでは、音声データをデフォルトで48khz/16bitに変換されることが多く、音質的にも問題なくデータも重くならない、とても使いやすいサイズです。
なお、48khz/16bitは、WAVです。
MP3よりWAVの方が圧倒的に高音質です。
WAVを選択します。
続いて「LO CUT」「LIMTER」「AUTO LEVEL」は、すべてOFFにします。イヤホンへのアウトプットボリュームは、10(最大)にしておきます。必ず密閉式のヘッドホンかイヤホンを使い自身の耳で確認します。特に、録音レベルをオートにしないこと!必ず自分の耳でチェックします。
上記のWAV設定で「32GB」のマイクロSDカードで約30時間分の録音が可能です(実機に挿入して確認しました)
【くわしく解説】
AUDIO:録音フォーマットの設定です。
LO CUT:ローカットフィルターです。
LIMTER:リミッターです。突然の大きな音に上限を自動設定します。
AUTO LEVEL:入力レベルを自動にします。
LINE OUTにイヤホンジャック(またはヘッドホンジャック)を入れます。まずは、イヤホンからの音を聞いてみましょう。イヤホンから聞こえる音でノイズをチェックします。まず、ノイズの原因を特定しましょう。室内の場合、主なノイズ源は空調と冷蔵庫、パソコンです。すべて電源を落とします。また、マイクはできるだけ手で持たず三脚にセッティングします。手に擦れるノイズがあるからです。
室内で音が反響してしまうなら、カーテンを閉めカーペットを敷きます。屋外での録音では、ジャマーをかぶせます。風切り音を減らせます。
録音レベルは液晶上の丸いジョグで調整します。ねらっている音によって入力レベルも変わってきます。部屋で自分のナレーションを録音する場合は、5から9くらいが適量でしょう。ライブハウスでの収録なら3から7くらいです。コンサートでの録音は、ドラムのありなしで差がでます。
マイクはなるべく音源に近づけ、レッドゾーンにかかるか、かからないかのギリギリの音量をねらいます。ピークを超過すると「音が割れて」聴こえるはずです。ポイントは、自分の耳で音を聞いてチェックすること。レッドゾーンにかかっていても、イヤホンから聞こえる音が割れて(ひずんで)いなければ少しオーバーしていてもOKです。
ナレーションやセリフをねらうなら、ピンマイクを装着するのがプロの技です。ピンマイクの使い方は、コラムの「15」をご覧ください。ピンマイクはモノラルです。モノラルで録音しても、動画編集ソフトでは右左の2Wayに貼り付けするとステレオっぽくなります。「エフェクト→チャンネルの入れ替え」で右チャンネルの音声を左チャンネルにも追加して疑似的なステレオになります。音声のピークレベルと音圧は別物です。常に音割れしないように注意してください。
このコラムは、湘南地域密着インフォメーションマガジン「フジマニ」に連載していました(2014年)連載をリニューアルしてホームページで公開(2018年)しています。※本コラムのシェアやリンクはご自由にどうぞ。でも、転載や転用はお断りします。