ボタンをクリックしてください。
テレビCMは、最初と最後に半秒の無音時間を設定しなければなりません。15フレームのノンモン(non-modulation)といいます。
1秒は30フレーム。15フレは半秒です。0.5秒や15Fと表記されることもあります。0.5秒設定する理由は、前のテレビCMと後のテレビCMの間に1秒の間を作るためです。テレビCM素材搬入基準というルールがあります。映像は15秒でも、音声は14秒で納品します。30秒CMなら音声は29秒です。
日本民間放送連盟が公表しているテレビCM素材搬入基準【2023年2月改訂版】によると0.5秒「無音声」と記載があります。構成図を掲載しておきます。
最初に企業のロゴを表示するCMがある一方でテレビCMのケツ(失礼!)に会社やブランドのロゴマークを表示するCMもあります。連続してオンエアされた場合、どこからどこまでが一つのCMなのか区別するために無音なのです。サウンドロゴがあると音と音がぶつかる可能性もありますが、ノンモンがあると無音のクッションになります。
広告会社勤務時代にフランス「カンヌCM祭」に会社を代表して参加しました。カンヌCM祭で世界中のCMを視聴して、日本以外は30秒が主流だったことを知りました。写真は第47回(2000年6月)カンヌCM祭での筆者の写真です。日本の視聴者は無意識のうちに1秒の間を無音を感じ、コマーシャルの間合いを認識していると言えるでしょう。15秒がおよそ85%と圧倒的に多い日本ならではの工夫です。
一方、YouTubeにはノンモンはありません。仮に、テレビCM用に制作された放送素材をそのままYouTubeにアップロードしたら、映像と音声が同期しないというエラーが表示されるでしょう。エラーを無視してアップロードすることは可能です。
しかし、対策としてYouTube用の映像には15フレームのノンモンを設定しないで、最初の半秒をフェードインに。最後の半秒をフェードアウトにすればエラーは表示されなくなります。
ドルフィンスルー株式会社はテレビCMも制作していますが、制作物の多くはWeb動画です。Webなら15秒や30秒といった枠にとらわれません。尺(長さ)が自由なのがいいところです。
前後のノンモン15フレは、日本のテレビCM放送素材のルール。YouTubeは、ルールなし。YouTubeの映像は、半秒のフェードインとフェードアウトに編集するのが大人の対応だと思います。
関連コラムを以下にご紹介します。お時間あれば、ぜひ読んでください。
このコラムは、湘南地域密着インフォメーションマガジン「フジマニ」に連載していました(2014年)連載をリニューアルしてホームページで公開(2018年から)しています。※本コラムのシェアやリンクはご自由にどうぞ。でも、転載や転用はお断りします。